NTT電話加入権の譲渡で詰んだこと

 多分レアケースでほぼ誰の役にも立たないのですが、電話加入権でちょっと面倒くさいことになったので共有しておきます。
 実家のNTT電話契約のお話。
 ことの発端は、実家でインターネットを使えるようにしようとしたこと。
 実家は既にフレッツ光の回線を引いていて、以前は普通にネットが使えていたのですが、当時は主に父が仕事で使っていて、会社をたたんだ時にケチな父が「もうネットなんかいらん」とプロバイダ契約を解除、フレッツ光なのにネットが使えない、というよく分からない状況になっていたのです。父は当時、自宅で一人で小さな事務所をやっていました。
 ネット利用をやめた後も、フレッツライト?の契約は残っていて、ひかり電話の他、スカパーか何かの契約もフレッツの中に入っているようです。
 その父が亡くなり、振替用の口座は母の口座に切り替えられたらしいのですが、名義変更ができず、インターネットも使えるようにできない、と母が言います。
 「そんな筈がない」と思い、NTTに問い合わせたところ、意外な事実が分かりました。
 まず、契約内容が従量制なことや、色々余計なオプションが付いているらしいので、その辺を正確に把握し変更するためにNTTに電話したところ、「名義が父のもののままだと案内もできないし変更もできない」と言われます(でも口座は母のものにできていたので、その辺はちょっと謎)。それはその通りだ、と思い、「加入権センター」なるところに改めて問い合わせると、変更のための案内はしてくれました。
 ところが、どうやら父は名義を父のやっていた会社のものにしていたらしいのです。
 請求書などは単に父の名前で送られてきてので、普通に父名義の電話加入権だと思っていたのですが、メインを仕事用の番号にして会社の経費とし、実家の電話番号はそのオプションか何かでつけていたようです。
 それだけであれば、会社から母に「譲渡」という形で権利を移せるのですが、譲渡するためには会社の印鑑証明などが必要です。
 しかし父の会社は、亡くなる何年か前にはたたんでいて、既に法務局に廃止を届けてあります。既にない会社の印鑑証明などとれるわけがありません。
 父の名義であれば相続できた筈なのですが、会社の名義である以上「譲渡」しかできず、その会社が父より前に死んでしまっているので、そこからもう動かせない、という状況なのです。
 加入権センターの人はとても親切で、本当に申し訳なさそうにして下さったのですが、当然といえば当然ながら、これらの書類が揃わないと譲渡はどうしてもできないそうです。
 譲渡できなければ、契約内容も変更できません。
 どうも「廃止」だけは何とかできるようなのですが、その場合、現在ある2つの回線は一旦なくなり、新しい電話番号で新たに母が加入する、ということになります。番号が変わると色々大変な上、テレビや警備会社のシステムなどが既にその回線を使っているので、一回まっさらにしてやり直すのは荷が重いです。
 ネットを使うだけなら改めてプロバイダ契約をして、あとは使用料に気をつけていれば従量制でもなんとかなるのですが、大概のプロバイダ契約は回線とセットで申し込んでキャッシュバックなどのごちゃごちゃしたカラクリで安くするのが普通なので、単体で申し込むといかにも割高です。そこまでしてパソコンも使えない母にネット環境が必要なのか疑問です。
 もう面倒臭くなって二人ですっかり諦めてしまいました。
 ちなみに実家は電波の悪いところで、母のAUの携帯電話は電波が届きますが、わたしのアホ安いY!Mobileのスマホだと二階の角の特定エリアでしか電波が入りません。wifi環境を使って快適にしようと思っていたのが、予想外の面倒がおきて完璧へこたれました。
 父が会社をやめる時にきちんと全部手続きをしていればこんなことにならなかった筈なのですが、ケチって司法書士にも頼まず自力で作業していたので、多分その作業だけで力尽きて電話のことまで気が回らなかったものと思われます。
 年をとったら色々早め早めで権利移したりしとかないと厄介なことになりまっせ!