また『進撃の巨人』に関する痛いネタです。
13巻出ましたね。わたしはコミックス派ですが、既刊以降の部分もおおよその流れは知っています。
壁内権力と巨人の関係、記憶操作の可能性などが出てきて、ますます謎が深まっているのですが、「巨人化技術」と「記憶操作」は少なくとも表面的にはまったく別の話です。
両者には何らかの関係があるのでしょうが、普通に考えれば別件です。
ところで、現王政は偽の王家で、本来の王家はレイス家のようで、黒服たち(アッカーマン部隊)とロッド・レイスのやりとりを考えると、ロッド・レイスはアッカーマン部隊によって監視・管理されているようです。「真の王家」が籠の鳥にされているとすれば、「偽の王家」が「真」を囲い込みコントロールするだけの力を持っていることになります。一方で、レイス家を取り潰してしまうのはちょっとマズイ、という理由が必要です。
レイス家が何らかの技術・能力などを継承しており、現王政はこれを恐れ、封印したがっている、と考えると自然なように思います。
現王政の基本は技術の封印、現状維持でしょう。おそらく巨人化に関する技術がかつては存在し、それが暴走した等の結果、引きこもるように力を封じ込めて現在の状態を維持しようとする勢力が、現体制なのではないかと思います。
壁教は壁を神聖視し、「現状」に手を加えることを極端に恐れます。そして壁教は王政のお墨付きを得ていて、かつレイス家を特別視している。ということは、「壁教」「王政」「レイス家」は必ずしも対立する関係ではなく、「レイス家」が持っている何らかの技術・能力を封印しつつ、現状を維持しようという状況にあるのでしょう。
王政や壁教にも一定の正義があり、レイス家の持っている力というのが、それほど危険で不安定なものなのだと考えると自然です。
ではその技術・能力というのは何なのでしょう。
すぐに思いつくのは「巨人化技術」と「記憶操作」です。しかし、少なくとも表面的にはまったく別の話です。実際には何らかの関係があるのでしょうが、直接的には別物です。
エレンやヒストリアの夢に出てきた黒髪女の件があるので、記憶操作系の何かを、レイス家は握っているようです。あるいは、二つの技術を別々の陣営が握っており、そのために三すくみというか、変な均衡の状態にあるのかもしれません。
記憶操作系の能力というのは、チートすぎて興ざめなところもあるので、なるべく限定的な形で使って欲しいものだと願っています。
一方の巨人化技術ですが、そもそも巨人化は何のためだったのでしょう。
すぐに思いつくのは軍用ですが、あえてもう少し考えてみると、無知性巨人の時のユミルが年を取らなかったこと、知性巨人が人間状態のときに傷を治す力があること、などがポイントになりそうです。
「巨人」ということを一旦カッコに入れて考えると、これらはそれだけで夢のような技術です。
そういう技術がわざわざ開発されたことを考えると、少なくとも当初はポジティヴな目的だった筈で、それは「不死身」の能力のようなものだったのではないでしょうか。
巨人化はその副産物で、無知性巨人化は暴走の結果、だったりすると、面白いのではないかと思います。
進撃の巨人(13) (講談社コミックス) 諫山 創 講談社 2014-04-09 |