ちょっと話題になっていた『パーフェクトJavaScript』を読みました。
いや、これは名著です!
まず最初に、この本は初心者向けの本ではありません。Javascript入門者が手にしたら、かなりの確率で挫折するでしょう。
逆に詳しい書籍としては、何といってもサイ本がありますが、『パーフェクトJavaScript』はサイ本よりは敷居が低いです。詳しくないという意味ではなく、翻訳書独特の難渋さがないこと、本の構成や用語、サンプルコードや説明文の日本語がこなれているせいで、深いところまで突っ込んでいる割には取っ付き易いのです。
基本的に「普段仕事でJavascriptを使っているけれど、正直、本質的なところが今ひとつ分かっていない」「よく分からないままとりあえず動いているので良しとしている」くらいの人たちが主な対象です(わたしもそうです)。「最近のJavascriptはオシャレくさくなってさっぱりわからん!」と思っている人は、この本で再入門すると素晴らしく頭が整理されるでしょう。
典型的な技術書の構成として、演算子やら型やらから説明し始めるのですが、これが退屈ではないのです。そこが凄い。読んでいてグイグイ引き込まれる、ワクワクする技術書なのです。
即アプリを作りたい、という人には向いていませんが、JavaやC#の技術者から見てJavascriptのヘンテコなところをちゃんと理解したい、という人にはぴったりです。
前半で言語仕様、後半でクライアントサイドおよびサーバサイドJavascript、HTML5が解説されていますが、個人的にオススメは言語仕様の中の「変数とオブジェクト」「関数とクロージャ」あたり。この辺は、分かったからといって即仕事に活かせる、という類の話ではないのですが、分かっていないと他人のオシャレなコードを読む時に困ります。何より、読んで考えて楽しいです。
もっと早くに読んでおけばよかったです・・。
パーフェクトJavaScript (PERFECT SERIES 4) 井上 誠一郎 土江 拓郎 浜辺 将太 技術評論社 2011-09-23 |