Categories: 日々のおはなし

よしこ誕生秘話

 ちょっと生々しい話をします。
 よしこが生まれた時の話です。
 といっても、わたし、よしこじゃないんですよ。初めてお目にかかった方に「え、よしこじゃないんですか」と言われることがありますが、わたし、よしこじゃないんです。名前が。「ゆー」です。
 よしこってキャラなんですよね。
 「よしこ」という名前自体は、スタア学園という漫画の登場人物で三頭身くらいの田舎臭い純朴な女の子がいて、この子が可愛いなあと思ったのと、「よしこ」という音自体が垢抜けない感じで気に入ったからつけたのですが(万国のリアルよしこさん、本当にごめんなさい)、「よしこ気分」というのがそもそもあるのです。
 これはねぇ、わたし個人のよりコアでグズで自愛的なものから来ているんですよね。
 わたしは文章などは割とソリッドなものも書くし、振る舞いもガサツだし、顔もS顔とか言われるし、その辺は(照れ隠しも含めて)意図的にやっているところもかなり大きいのですが、非常にぐったりすると「やってらんない」ともなるのです。基本的に根性がないし打たれ弱いので、ちょっと何かあるとすぐ「やってらんない」とスネてしまうのです。
 そもそもが硬質な文章というのは、もちろん書きたくて書く、自然に出てくるというのはあるものの(出てくるものは自分で書いている感がないので、後で人に聞かれても大概わからない)、書いていて精神衛生上よろしくない。なんというか、クサクサした気分になることがあります。書けば書くほど自分が追い詰められて、乾いて固くなっていく。その乾きに気づきもしないタイプの人たちもいらっしゃるのですが、わたしは全然ダメです。日常のリアルなわたしはウェットで女々しくてわがままですぐ泣いて何かというと人に頼りたがる女ですから。
 そんな感じで、すごくしんどくなった時などに、もう字なんか書きたくない、と感じで落書きをしたりしていたのですね。
 「よしこ画伯」ですが、ご覧の通りわたしは全く絵が描けません。美術とか図工の成績も悪かったです。絵なんてものは、村一番の絵描き上手みたいな人も美大なんかに行くと下の下で、まったくもってギフトの世界、選ばれし者の領域です。そんな中、普通の学校の美術すら平均点以下なわけですから、もう箸にも棒にもかかりません。
 でもまぁ、なんか変なうにょーんとした動物っぽいものくらいなら、なんとなく描けます。
 とてもしんどい時に、そういうのを延々と落書き帳に描いていました。この長細いタイプのヤツなんかは、わたしが激ヤセしてガチで死にかけた時に生まれたものです。

 後に人に見られて「病んでるなー」とか言われたのですが、言われたその時は「何を失礼な! これは治癒の過程で必死で作り上げたものなの!」と思ったものの、確かに病んではいます。
 こいつらの欠点は、他人にすぐパクられてしまうことです。
 某イベントの時に一緒にやって頂いた彼女が、いとも簡単にこのキャラを描いていた時はショックでした。
 わたしがあんなに苦労して生み出したのに!

 そしてこの「よしこアイコン」のヤツ、

 これは美術館にデートに行った時に描いたものです。
 わたしは美術館のだだーんと広くて隠れる場所がなく空調の音がして何やって良いのかわからないところが苦手で、おまけにガムとか噛んでたら怒られるし、更にこの頃は食べ物関係が例によって狂っていて低血糖でまともな思考ができず、美術館に入りかけたところで諦めて横のパンフレットやらが置いてあるところでグッタリし、「えへへへーうふふふー」とか言いながらその辺の紙に無心に描いたものです。
 ああ、これはよしこが小さい時のだ!と思いました。

 yoshikogahakuというアカウントを最初に作ったのははてなブックマークですね。
 その頃は別にブログをやっていて、それはそれで真面目に書いていたのですが、ふらっとやってきてお気楽にはてブコメントをつけていかれるのですね。
 その群がってくる無責任な感じがすごくイヤでした。今でもクソだと思います。
 では自分がコメントをつける側、安全圏でツッコむ側に回ったらどうか? ということでyoshikogahakuアカウントを作ったのですが、これが非常に楽です。
 外野からやいやい言ってればいいんですから、もう楽で楽で仕方がありません。
 そういう楽をしよう、字とか書くのはやめよう、落書きとかして遊ぼう、という感じでよしこ画伯になりました。

 そうは言ってもわたしは生きているナマの人間で、そういう人間がよしこばっかりやってるのは良くないな、とも思うのです。
 いや、いいんですよ。基本よしこ的にほんにゃらしてる訳ですから。でも同時に、結構目立ちたがりやだし正面からバーンと当たるのが立派だと思っているし、そういうのはそういうのでやらないといけない、という義務感に突き動かされています。
 そんな色々で結局どっちもわたしですよ、とカミングアウトしてしまって、今に至っているわけです。

 実際のわたしは羊みたいにソリッドではないし、どちらかというとよしこ的にちゃらんぽらんなのですが、色々合わせて名前は「ゆー」でいいんじゃないですか。
 ちなみに羊的要素というか、ガッガッガッとひっかかりの多い文章系の人格は、自分の中に埋め込まれたメカみたいなものが勝手にやる感じなので、いつ発動するのかよくわからないし、発動すると勝手に書いていて、ほとんどコントロールできません。あまり自分という感じがしないし、顔を合わせての会話で何か言われてもピンと来ない。そんなの書いたっけ?という感じです。人前で出すのは「攻撃は最大の防御」的ですね。
 人としてのゆーさんはねぇ、なんか固くてエロいです。脳の七割くらいは恋に使っています。
 よしこはふわふわしててホットケーキみたい。
 どっちもあるんじゃないですかね。
 多少振れ幅は大きいかもしれませんが、普通じゃないですかね、こういうの。凡人です。
 でも世間の人は随分人格が安定して見えるので(外からは)、やっぱり振れ幅大きすぎなんですかね。
 凡人で、時々病人、くらいかしら。

よしこ画伯

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よしこ画伯

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