「全部無駄だった」と思えないといけない

 稽古納め。まぁ一人ではなにがしか毎日やるんだけれど。
 調子が良かった。丸二日ほどサボっていたら繋がりが良くなっていた。
 こういうことがよくある。毎日練習していてふっと休むと成長しているパターン。楽器なんかでもあるみたい。まぁずっとサボったらそれは下手になるけれどね(笑)。

 地面を掴む時、踵が確実に効いていること。臀部下部からハムストリングスにかけての微弱な緊張が途切れないこと。
 肩ブロック自体を動かす動作。肩を動かすのは肩ではない。その力がどこから来るのかよく確認すること。この状態で亀のように首が入り、手を動かさずに身体だけ動かすことで空間ができる。これが維持できていれば一番まずいところにはそうそう貰わない。手が勝手に相手を打っている。
 窮屈な感じがすること! 窮屈でない姿勢は役に立たない。窮屈な状態でいかに自由に動くか、どこを動かせば動けるのか仔細に確認すること。
 肩ブロック自体を操作すると前に出した時に不安になる(不安にならないといけない!)。繋がりが切れがちな状態だからだ。切れないためには、前に力を出している状態で踵が掴めていて、かつ体側の緊張が途切れていないこと。特に相手がいる状態では前に意識が向いてしまう。また、前進する時も腰背や臀部の繋がりが疎かになりがち。そういうのは引っ掛けられたら一発で転がされる。

 稽古していて何か新しいことに気付くと「今まで何をやっていたんだ」「また一からやり直さないといけない」「今までの稽古なんか全部無駄だった」と思うことがある(思わないようでは駄目だと思う)。
 でも、その「無駄な稽古」があったから新しい段階が見える訳で、丸っきり無駄だった訳ではない。と思いたい(笑)。
 もちろん天才肌で、パッとできてしまう人、合理的に進められる人というのもいるのだと思う。
 しかしそんなことを考えてもどうにもならない。わたしは天才ではないし、今更別の人間にもなれない。
 「全部無駄だった」と思える稽古を愚直に続けること。
 無駄でないのはそういう日々だけだと思う。

よしこ画伯

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よしこ画伯

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