最近読んでいるオススメのwebマンガやアプリで無料で読めるマンガを書いてみます。
まず、お約束で紹介する必要のない超メジャー作品。
ワンパンマン
無名の頃から読んでいて、あれよあれよという間に「村パン」が大ヒット、アニメ化。マンガワンで読める「モブサイコ100」も読んでいて、応援の気持ちで単行本を買っていたらこれもアニメ化。逆にもうお金落とさないで安心だと思うのでこの調子で遠くで頑張っておくれやす!
ちなみにわたしは「村パン」ではなくONEさんの原作版がやっぱり好き。このヘロヘロの絵柄も愛おしい。圧倒的な画力の差がありながらこれだけ面白い原作は凄いです。漫画力というんでしょうか。
ヒトクイ
これも原作の方が好きだったのですが、リメイク版も一応読んでいます。
でも正直、単行本を買うほどではないかな・・。
以下、本当にオススメなもの。
堕天作戦/天獄囚徒
マンガワンで月刊連載中。
最初は同人っぽい風呂敷だけ大きく広げたファンタジーものかと思っていたし、絵柄も今ひとつ敷居が高かったのですが、しばらく読み進めると中毒化していきます。
魔人や人間、またその混合勢力などが群雄割拠している世界のお話で、全体の見取り図的なのは未だにさっぱりわからないのですが、ディテールだけ追っていても楽しめます。特にもう一人の不死者の女やアフロの次元だか空間だか切り取る能力者が登場してから、ストーリーの牽引力が増しました。アフロの戦闘描写は特に表現がユニークで、なおかつ能力の恐ろしさ、怖さがちゃんと表現できています。
最初の頃は誰が主人公なのかもわからない、異世界群像劇的なものなのかと思っていたのですが、ここのところの展開は割りと骨が太くなっています。
変な巨大メカを使う勢力のことが未だにほとんど描写されておらず気がかりなのですが、作者が一体どこまで考えているのかも読めません。
どことなく80年代っぽい雰囲気があります。
堕天作戦 1 (裏少年サンデーコミックス) 山本 章一 小学館 2015-12-11 |
グッド・ナイト・ワールド
岡部閏さんの『グッド・ナイト・ワールド』。マンガワンでは断然これがお薦めです。
岡部閏さんの世界観はかなりグッと来るものがあります。基本仮想世界ものというか、ファンタジーSF系ではあり、一見すると独りよがりで他者のいない同人世界のように見えるのですが、明らかに一線を越えています。借り物ではなく本当に精神を抉るような造形や描写がありながら、商業的に成り立つ引き込まれるストーリーとグッと来る熱い展開が同居していて、危ういバランスを見事に保っています。「岡部閏みたいなマンガ」は多分大体つまらないのですが、「岡部閏のマンガ」は本物です。
完結した『世界鬼』も、最初の頃はありがちなファンタジーかと思ったのですが、変なクスリでもキメてるんじゃないかという突き抜けた展開で良い意味で期待を裏切ってくれました。
世界鬼 1 (裏少年サンデーコミックス) 岡部 閏 小学館 2012-12-18 |
まだまだ伸びる余地のある作家さんのように思います。頑張ってください!
「夜のロボット」
純然たるwebマンガだと思うのですが、絵柄も設定もストーリーも素晴らしい。
巨大ロボットが登場するものの、バトルものではなく、童話の世界が膨らんだような世界観です。
構図やコマ割りも魅力的で、すごく絵が上手い人なんじゃないかと思います。
深読みできる黒さがありながら、昔のガロものよりは余程ポップで商業的にもギリ成り立つ線に見えるので、是非うまいこと売れて欲しいです。
まめきちまめこの日常
初期の頃から読んでいますが、もう大好きです。特にこまちをはじめとする動物回にはハズレがありません。
一見フツーのダラダラしてる女の日常マンガで、最初の頃は容姿ネタなどちょっとこじれた感が残っていたのですが、もう完全に吹っ切れたというか、日常エッセイマンガとしての様式美に到達しているように思います。
関西に長く住んだ人間としては、会話のテンポとか人間の距離の近さとかもすごく和みます。
この「家の中だけ通じる世界」みたいのがすごく共感できるし、こういうものこそが人生でもっとも尊い世界なのではないかと思っています。
また、性の臭いとか色恋要素が見事になく、楽しいわんにゃんワールドと「子供時代あるある」を安心して楽しめます。
リスの兄弟のように暮らしたい!
まめきちまめこニートの日常 (MFC) まめきちまめこ KADOKAWA/メディアファクトリー 2015-08-22 |
ウッドブック
ねこのぽんたのお陰で結構メジャーになってきた鴻池剛さん。猫回のみを集めたこの本も買いました。
鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン! 鴻池 剛 KADOKAWA/エンターブレイン 2015-10-31 |
ぽんたのお話ももちろん面白いのですが、実は安木との日々がかなりキています。なんというか「人間、ここまでクズになれるんだ」という発見があります。いやでも、こういう人って確かにいますね。いるけど、記憶から抹消しようとしてますわ。人恋しくなった時とかに読むと「やっぱ友達なんてイラネー」という気分になって変な勇気づけられ方をします。
夢想体現遊戯 ユメウツツ
四人のうだつのあがらない少年たちが始めたゲーム。割り振ったキャラクターの属性が実は現実に実現されるもので・・という設定ですが、相当読ませます。完全に商業レベルだと思うのですが、作者は副業作家さんなのでしょうか。
悪役の「超高速デブ」がとにかく面白いし、設定も遺憾なく発揮されていて、バトル描写も見事です。また、四人がちゃんと全員ダメな人で、よくある「設定上だけのクズ」ではないところも好感が持てます。
ダメ過ぎて主人公といえるほどの人物がいないのが、強いて言えば難点でしょうか。アゴの長い人が一応主役なのかもしれませんが、感情移入できるほど引き立っていません。
夢想体現遊戯 ユメウツツ (マイクロマガジン☆コミックス) 太田 亮 マイクロマガジン社 2014-08-29 |
サバイバル〜少年Sの記録〜
マンガボックスというアプリで読めます。
知らなかったのですが、これはさいとう・たかを先生原作作品のリメイク版なのですね。
今連載している『少年Sの記録』は絵柄も可愛いし設定も現代的になっていて違和感なく入れます。
とにかく、既に単行本二巻分くらいは話が進んでいる筈なのに、主人公以外の登場人物がいない、ずっと一人芝居、というところが凄いです。これを不自然さなくマンガとして成り立たせている構成力・演出力は尋常ではありません。
あと、ネズミ怖い!と思い知らされました。いやーネズミ怖いッスよ。
サバイバル~少年Sの記録~ 1 (SPコミックス) 宮川輝 さいとう・たかを リイド社 2016-01-13 |
ファイアパンチ
少年ジャンプ+で読めるコミック。
第一話がセンセーショナルで話題をさらったけれど、その後ひたすらエログロ露悪趣味みたいのが続いてフルボッコにされつつ、依然注目はされている作品です。
ダークファンタジーとして物凄い設定とツカミだったのでわたしも注目していたのですが、公開された過去の読み切り作品を見ると、どうも作者がやりたいのはむしろ露悪趣味の特殊性癖とかこじらせたドロドロマンガの方の気もします。
というわけで、ちょっと位置づけが微妙なのですが、ダークファンタジーとして読むのを諦めてシュールギャグだと思うとちょっと面白いです。
美少年ネス
もう完結している作品です。
江野スミさんとしては多分たびしカワラん!! の方が本当にやりたい作品で、美少年ネスの方は微妙な気持ちで描いていたのかもしれませんが、わたしは楽しんでいましたよ。
あのハゲのワンパンマンパロディオチとかも、ネットでは結構叩かれていましたが、個人的には吹きました。
ギャグの面白い人とか一部の芸人さんには本当に深い心の闇を抱えている人がいらっしゃると思うのですが、それでも笑いをやると1ミリくらい心が浄化されるような気がするので、またギャグマンガも描いて欲しいです。
美少年ネス 1 (裏少年サンデーコミックス) 江野 スミ 小学館 2015-04-10 |
パペラキュウ
一部では大変有名な作品なので紹介するまでもないかと思いますが、この作家さんも本当に色々こじらせているのでしょうねぇ・・。凄い方だと思うのですが、オトナたちとうまくやるのがめちゃくちゃ苦手な人なのかもしれません。他人事とは思えません。
読者としては、これだけのものを無料で公開して頂けるのはありがたいのですが、作家さんの生活が心配になります。
他に、アプリ「マンガボックス」に掲載されていて「タダだから読んでみよう」と思って読んでいるものとしては、
『ダーウィンズゲーム』
『新宿スワン』
『ミュージアム』
『六本木ブラッククロス』
『モンタージュ』
『ビリオンドッグズ』
『攻殻機動隊S.A.C.』
がありますが、正直、単行本を買おうとまでは思いません。すいません。
逆に「単行本買ったから読まないでいい」ものとしては、以下のものがあります。
鉄民(1) (アクションコミックス) 菅原 敬太 双葉社 2015-04-28 |
惡の華(1) (少年マガジンKC) 押見 修造 講談社 2010-03-17 |
刻刻(1) (モーニング KC) 堀尾 省太 講談社 2009-08-21 |
「マンガボックス」はすごく読みにくいので、アプリ自体としては評価していません。とはいえ、少年ジャンプ+とマンガワンの次程度には品質が良いように思うので使っているのですが・・。他にもいくつか入れたことがありましたが、全く使い物にならないのでやめました。