トレーシー・メソッドをインナーマッスル・トレーニングとして見直す

 「エクササイズDVD比較」で書いている通り、エクササイズDVDオタクなのですが、「痩せる」「ダイエット」といった表層的な目的を越えて、身体操作そのものを磨く、という意味で一般的なエクササイズDVDを見なおしてみると、また違った側面が出てきます。
 「エクササイズDVD比較」でも最後の方で身体操作系・調整系のDVDを紹介していますが、ヨガなど初めから「それ目的」のものを除いて、オススメなものを考えると、トレーシー・メソッドが優れていると思います。
 トレーシー・メソッドは「痩せる」「ダイエット」を主眼として一世を風靡したのですが、DVDの3を除くと有酸素的要素は非常に低く、「痩せる」だけならあまり合理的ではありません。どちらかというと筋トレ系ですが、ムキムキ筋肉ではなく、女性向けに「つけ過ぎない程度に筋肉を付ける」作りになっています。
 でも改めてその動作を詳しく見てみると、腸腰筋や股関節の外旋・内旋、肩関節の外旋など、細かい筋肉を鍛えて調整し、全身を統合するのにとても良い作りになっています。
 おそらくトレーシー・アンダーソンが元々ダンサーであり、ダンスのトレーニングは絶対的パワーではなくこうした細やかなバランス系の力を付けるものがメインだからでしょう。
 「エクササイズDVD比較」で紹介している胴体力トレーニングなどと併せてやってみると、その意味が段々分かってくると思います。
 ポイントとしては、DVD1なら「脚のトレーニング」とされている最初の2パートで、股関節のポジションを良く意識すると良いです。外旋方向(外転ではない)に開き気味にやると分かりやすいでしょう。
 腕のトレーニングも、腕というより肩周りのインナーマッスルを鍛える効果があります。
 腹筋のパートでも、腹筋というより腸腰筋のトレーニングになっているものがあります。
 「痩せる」だけならジリアン・マイケルズのような息の切れるエアロビ系エクササイズが手っ取り早いですが、それである程度のレベルまで行けたら、全身をうまく使えるよう、工夫してトレーニングすると、また違った局面が出てきて楽しいです。
 身体の使い方を見ても、ジリアンが体力・筋肉はあっても今ひとつバランスが悪いのに対し、トレーシーは非常にバランスの良い動きをしていて、身体能力が高いのが分かります。もちろん、「楽しく痩せる」メソッドとしてのジリアン・マイケルズは素晴らしいし、今でも愛用していますが。

ザ・トレーシー・メソッド DVD Book
トレーシー・アンダーソン
マガジンハウス 2009-05-28


よしこ画伯

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