闇金ウシジマくん 1 (ビッグコミックス)
真鍋 昌平 小学館 2004-07-30
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おすすめ度:☆☆☆☆
誰に聞かずとも面白いでしょう。怖いけど面白い。
最終的に本当に救いようもなくなってしまう人と、小さな希望を残す人がいて、その分かれ目は何なのだろう、と考えさせられる。「フリーターくん」の彼や、「サラリーマンくん」で最後の最後で友人を庇って自らオホーツク海に赴く彼。どちらにせよハッピーエンドではないのだけれど、すごく小さな希望がある。
そういう「最悪の中では最善」の終わり方ができる人というのは、非常にベタだけれど、「金じゃない」何かを最後の最後で思い出せたのだろう。本当にベタで恥ずかしいのだけれど、そうとしか言いようがない。そして多分、金と欲にまみれて落ちまくった人間だからこそ、その真価というのが分かるはずだし、そういう物語だから胸に落ちるのだろう。こんなこと、ただ言葉で言ってもみっともないだけだし、説得力の欠片もない。
ウシジマくんがうさぎ好きなのもとっても愛くるしい。あと柄本のホモソーシャルっぷりも。